特別寄与料について(令和元年相続に関する法改正)
令和元年(2019年)の相続手続に関する法改正の情報です。
被相続人の生前に療養看護等を行った方が相続人でない場合、財産を全く承継することができないということが一般感情的な側面から問題となっておりました。
創設された特別寄与料という制度においては、無償で、①請求権者が被相続人に対して療養看護などの労務提供をしたこと、②①によって被相続人の財産の維持・増加について特別の寄与をしたことを要件として親族が一定の財産(協議又は家庭裁判所が決定)を請求できることとなりました。
▼民法(参考条文)
第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。
2 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。
3 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。
4 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
5 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。
2024年11月20日
司法書士 土地家屋調査士 馬場真作