戸籍様式の変遷
戸籍の歴史は古く、奈良時代にはすでに作成されていました。
現在の戸籍制度ができあがったのは、徳川幕府が倒されて新政府が成立した明治時代初期です。
現行戸籍に通じる戸籍制度が正式にスタートしたのが明治5年であり、その干支にちなんで明治5年式は俗に「壬申戸籍」とも呼ばれます。
これ以降、戸籍記載の様式変更を重ねながら現在に至っています。作成様式の変更に合わせて「明治〇年式戸籍」などと呼ばれています。現在の戸籍ができるまで、大きく4回の様式変更が行われています。
①明治5年式戸籍
⇒現在の戸籍制度のスタート。現在では取得不可能。
たとえ現存していても発行してもらえない決まりとなっております。
②明治19年式戸籍
⇒現在取得可能な最も古い戸籍。
③明治31年式戸籍
⇒前戸主と現在の戸主(当時)との続柄が記載されるようになりました。
④大正4年式戸籍
⇒明治31年式の「戸主ト為リタル原因及ビ年月日」欄が廃止され、その内容は戸主の事項
欄に記載されるようになりました。
⑤現行戸籍
⇒戦後の新憲法のもとで作られた様式。「家」単位ではなく「夫婦とその子」が編成単位と
なりました。
現在、相続登記は義務ではなく、罰則等もございませんが、2019年末に法制審議会(法相の諮問機関)の所有不明土地対策の原案が発表されました。不動産を相続する人が誰なのかをはっきりさせるため、被相続人が亡くなった際に相続登記の申請を義務付け、手続きを簡素化する代わりに、一定期間のうちに登記をしなければ罰則を設けることが検討されております。まだ検討段階ですが、相続登記は近い将来義務化されることが予想されます。
相続登記をするには相続人全員での遺産分割協議書が必要となります。また、相続で譲り受けたまま放置されていた不動産を売却しようと考えた際には、相続登記が必要です。相続によって不動産を譲り受けてから長い間放置したあとに不動産を売却しようとすると、相続人が増えて権利関係が複雑となり、遺産分割協議書を作成することが困難になってしまいます。
自分の子や孫の代に複雑な不動産登記手続きを残さないためにも、早めに相続登記をすることが大切です。また前述の通り、戸籍の様式は変更を繰り返し相続が幾度も発生している場合、相続人を特定するのも一苦労です。このような相続登記でお困りの際は専門家へご相談ください。
2020年02月25日