抵当権とは
今回は「抵当権」について説明させていただきます。
例えば、AがBに対して1,000万円を貸し付けたとして、Bが必ず返済をしてくれるとは限りません。Aとしては、確実に1,000万円を回収したいと考えます。そこで利用できるのが抵当権です。
抵当権とは、債務者(例のB)等が所有している不動産に設定する担保権のことで、もしBがAに1,000万円を返済しなければ、Aは抵当権を設定した不動産を競売にかけて、その売却代金から優先的に弁済を受けることができます。なお、抵当権が設定されたとしても、その不動産を使用収益するのはAではなくBのままです。
私たち司法書士は、この抵当権を登記することを業務としています。一番多いのは、住宅ローンについて、購入された土地や建物に銀行の抵当権設定の登記をする業務です。銀行は土地や建物という担保があるので、安心してお金を貸すことができます。また、債務者は自己資金がなくても住宅を購入して、そのまま自分で使用することができます。
「抵当」、「担保」、「競売」と聞くと悪いイメージが浮かぶかもしれませんが、抵当権は不動産の流通について非常に重要な役割を担っているのです。
2019年11月05日
司法書士 土地家屋調査士 駒井健