自筆証書遺言の改正について
平成30年7月4日に改正相続法案が成立し、同月13日に公布されました。
内容としては、「自筆証書遺言、配偶者居住権、遺産分割前の預貯金の払い戻し」等が改正または創設されたものです。
今回は、平成31年1月13日から施行されている「自筆証書遺言の改正」について説明します。
自筆証書遺言では、遺言者が全文、日付及び名前を自書し、押印することが求められています。遺産が多く遺言の記載内容が多いなどの理由により、多大な内容を記載する必要のある遺言者にとっては、全文を自書するということは多分な負担を強いることになっていました。
しかし、今回の改正により、財産目録部分に限りパソコン等による作成、通帳等の写しの添付、他の者による代筆が可能となり、従来より負担が軽減されました。
もっとも、遺言の本文部分である「不動産を○○○○に相続させる。」などの記載については、自書が必須であり、また財産目録部分のすべてページに遺言者が署名、押印をする必要があります。
以上のように、自筆証書遺言の規定は緩和されましたが、作成した自筆証書遺言が要式を具備しておらず無効になったり、遺言書の紛失等のリスクはあります。それを回避するために、遺言を検討される方は公正証書遺言による作成または作成前に司法書士などの専門家による相談をお勧めします。
2019年03月03日