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事務所コラム

家族信託シリーズ3~家族信託と成年後見制度との違い~

家族信託と成年後見制度との違い


・「成年後見制度」を利用することで、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人が本人の財産を管理することになり、本人が自分に不利益な契約を結んでしまった場合にも、成年後見人が契約を取り消すことができます。
「成年後見制度」は裁判所が財産管理を行う「成年後見人」を選ぶため、必ずしも親族が成年後見人になれるとは限りません。一般的には司法書士や弁護士等の専門家が就任することが多く、専門家への報酬がかかります。また、成年後見人が本人の財産全てを管理することになります。
一方、「家族信託」では、本人の財産管理・運用・処分を行う受託者に誰がなるか、信託する財産の範囲を当事者間で取り決めができます。

・「任意後見制度」はあらかじめ後見人になる人(任意後見人)を指定することができます。裁判所が選任した任意後見監督人の元、任意後見人が本人の財産管理をすることになります。成年後見制度と同様、任意後見監督人への報告義務が生じ、場合によっては任意後見監督人に就任した専門家への報酬がかかります。

・元気なうちに親から子へ「贈与」することも1つの手ですが、贈与税や不動産取得税がかかってきます。親が委託者=受益者の場合(自益信託)は贈与税がかかりません。
※委託者≠受益者(他益信託)の場合は、贈与税か課税される可能性があります。

認知症等によって財産管理や、介護施設入所・入院の契約手続などの法律行為をすることが難しい場合、「成年後見制度」を利用することができます。
「成年後見制度」を利用することで、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人が本人の財産を管理することになり、本人が自分に不利益な契約を結んでしまった場合にも、成年後見人が契約を取り消すことができます。
成年後見人は裁判所が成年後見人を選ぶ為、誰が成年後見人になるかは家庭裁判所が決定します。親族以外の専門家が成年後見人に選任された場合、専門家に対する報酬がかかり、一方、親族が成年後見人に選任された場合も毎年1回裁判所に本人の財産状況や収支報告をする義務があります。(親族以外の専門家が成年後見人となることが一般的です。)
また、裁判所への申立てから成年後見人選任まで通常3~6ヶ月程度かかります。
「家族信託」の場合、本人の財産管理・運用・処分を行う受託者は、当事者間で自由に取り決めができます。また、委託者・受益者へ、受託者が年に1回の信託事務について報告する義務はありますが、裁判所等公的機関への報告は原則不要となります。
※ただし年間の収益が金3万円以上となる財産、例えば収益物件や株式等を信託財産とする場合、税務署への申告が必要になります。

2025年09月12日
司法書士 行政書士 西村俊

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