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事務所コラム

相続法改正について

司法書士法人equalの小林です。

新しく相続法が改正され、今年の1月から順次施行されています。
そこで、どの制度がいつから施行されるのか、新法・旧法どちらが適用されるのか、施行日順にまとめてみました。

民法改正における、相続法の適用について

・原則
  施行日前に開始した相続については、なお従前の例による

 

2019年1月13日施行

・自筆証書遺言の方式緩和(968条 2項 3項)
 自書によらない財産目録を添付することが可能となった。ただし、その目録の毎葉に署名し、押印しなければならない。
【適用】
 2019年1月13日より前にされた自筆証書遺言については、なお従前の例による

2019年7月1日施行

・婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の遺贈又は贈与(903条4項)
 居住用不動産の遺贈又は贈与について、特別受益による持ち戻し免除の意思表示があったものと推定し、遺産分割において相続財産として取り扱う必要がなくなった。
【適用】
 施行日前にされた遺贈又は贈与については、適用しない。

2019年7月1日施行

・遺産の分割前における預貯金債権の行使(909条の2)
 平成28年12月19日最高裁大法廷決定により、預貯金債権は遺産分割の対象に含まれ、遺産分割まで共同相続人全員で行使しなければならなくなったが、各共同相続人単独で一定の限度での預貯金の払い戻しができる。
 払戻額
  相続開始時の債権額 × 1/3 × 相続人の法定相続分 (限度額150万円)
【適用】
 施行日前に開始した相続に関し、同日以後に預貯金債権が行使されるときにも適用する。

 

2019年7月1日施行

・遺言執行者の通知制度(1007条2項)
 遺言執行者はその任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。
・遺言執行者の権限の明確化(1012条)
 1.遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。(1012条1項)
 2.特定遺贈がされた場合、遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことができる。(1012条2項)
【適用】
 1007条2項、1012条 施行日前に開始した相続に関し、施行日後に遺言執行者となる者にも適用する。

・相続させる遺言(特定財産承継遺言)と遺言執行者の権利義務(1014条2項~4項)
 これまで、「相続させる遺言」については、相続人が単独で相続登記をすることが出来たので、遺言執行者は登記をすることはなかったが、遺言執行者は対抗要件を備えるために必要な行為をする権限を有することとなった。
【適用】
 1014条2項~4項 施行日前にされた特定の財産に関する遺言にかかる遺言執行者による執行については、適用しない。

  ・遺言執行者は復任権を有する(1016条1項)
【適用】
 施行日前にされた遺言に係る遺言執行者の復任権については、なお従前の例による。


・遺留分制度の見直し(1042条~1049条)
 遺留分減殺請求行使の法的性質は形成権であり、物件的効力をもつとされてきた。
 新法においては、遺留分侵害額請求権とされ、金銭請求権となった。

・特別寄与制度の創設(1050条)
 被相続人の親族は、相続人に対し、特別寄与(被相続人に対して無償で療養看護その他の労務を提供したことにより相続財産の維持、増加に寄与)に応じた額の金銭の支払いを請求することができる。

 

  2020年4月1日施行
・遺贈義務者の引渡義務等(998条)
 債権法改正により、贈与に関する担保責任の規定も改正され、遺贈についての担保責任も改正される。
【適用】
 施行日前にされた遺言に係る遺贈義務者の引渡し義務については、なお従前の例による。

・第三者の権利の目的である財産の遺贈(旧1000条 削除)
【適用】
 施行日前にされた第三者の権利の目的である財産の遺贈については、改正前1000条が、なおその効力を有する。

・配偶者短期居住権(1037条) 被相続人の建物に無償で居住していた配偶者は、遺産分割の時又は相続開始から6ヶ月を経過する日のいずれか遅い日まで、その建物を無償で使用する権利を有する。

・配偶者居住権(1028条)
被相続人の建物に居住していた配偶者は、遺産分割又は遺贈により、その建物を無償で使用・収益する権利を取得する。

【適用】
 2020年4月1日以後に開始した相続について適用し、それより前に開始した相続については、適用しない。
 また、施行日以前に配偶者居住権を遺贈の目的とされても適用しない。

2020年7月10日施行

・法務局における自筆証書遺言の保管制度 現行の自筆証書遺言の制度については、遺言書を紛失したり、相続人によって隠匿・変造されたりするおそれがり、また、相続人が、自筆証書遺言の存在を把握する仕組みが必要であった。

改正後の制度
 遺言者は、法務局に、自筆証書遺言(無封のもの)の保管を申請することができる。
 遺言書保管事実証明書の交付…何人も、遺言書の保管の有無、作成年月日、保管所、保管番号を証明した書面の交付を請求することができる。
 遺言書情報証明書の交付  …相続人や受遺者となっている者(関係相続人)は、遺言書保管ファイルに記録された事項を証明した書類の交付、閲覧を請求できる。
 この制度により保管されている遺言書については、検認を要しない。

2019年07月02日
司法書士 小林貴浩

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