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事務所コラム

農地(畑、田)の権利移転について

1.農地の権利移転の問題

2.農地法の目的

3.農地法の許可の区分

4.都市計画法と農業振興地域の整備に関する法律

1.農地の権利移転の問題

 日本では国土の約11分の1を農地(畑、田)が占めています。 
 しかし、近年、少子高齢化等の影響もあり後継者不足により耕作放棄農地が増加している傾向にあります。そういった農地を手放す場合や大きな農家に引き継いでもらう場合に農地法等の法律の規制が関係します。 
 今回は、農地について権利移転する場合に関連する法律について解説します。

2.農地法の目的

 「農地法」には下記の目的があります。 
 ①耕作者の地位の安定。 
 ②国内の農業生産の増大を図る。 
 ③国民に対する食料の安定供給の確保。 
 この3つの目的を達成するために、農地の権利移転等(所有権移転、賃借権の設定等)を行う場合には、「農地法」による許可または届出が必要となります。

3.農地法の許可の区分

 許可または届出は、農地の権利移転等(所有権移転、賃借権の設定等)の内容によって3種類に区別されます。 

①農地法第3条許可 
 農地を農地のままで全部または一部の権利を移転・設定させるときには、農業委員会の許可が必要になります。 
 (例)Aが畑または田をBに売却する。 
 なお、相続により農地を承継した場合にも所有者変更届出を農業委員会に提出する必要があります。 

②農地法第4条許可・届出 
 自己所有の農地を農地以外の地目に転用するときは、都道府県知事、農林水産大臣からの許可または農業委員会への届出が必要となります。 
 (例)Aが家を建てるために、畑または田の地目を宅地に変更する。 

③農地法第5条許可・届出 
 農地を農地以外の目的に供するため転用する場合で、権利を移転・設定が伴うときは、都道府県知事、農林水産大臣からの許可または農業委員会への届出が必要となります。 
 (例)Aが畑または田をBに売却するとともに、Bが家を建てるために、畑または田の地目    を宅地に変更する。

4.都市計画法と農業振興地域の整備に関する法律

 農地を権利移転する場合に許可か届出のどちらが必要かは農地の場所・区域によって区別されています。それを区別している法律が「都市計画法」と「農業振興地域の整備に関する法律」です。 

①都市計画法 
 「都市計画法」内での区別として市街化区域と市街化調整区域があります。 
 市街化区域とは、すでに市街化を形成している区域または今後10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る区域であって、農地法の規定は届出によることとされています。市街化調整区域とは、市街化を抑制すべき区域であり原則として許可が必要となります。 

②農業振興地域の整備に関する法律 
 市街化調整区域内では、「農業振興地域の整備に関する法律」により、農業振興地域内の農用地区域(いわゆる「青地」)と農業振興地域内の農用地区域以外の区域(いわゆる「白地」)に区別されます。 
 農業振興地域とは、相当期間(10年以上)にわたり、総合的に農業振興を図るべき区域であり、農業振興地域内の農用地区域以外の区域(いわゆる「白地」)では、一般的な市街化調整区域と同様に許可を得る必要があります。 
 農用地区域とは、農業振興地域内における集団的に存在する農用地や、土地改良事業の施行に係る区域内の土地等の区域であり、農業振興地域内の農用地区域(いわゆる「青地」)では、原則として許可が禁止されています。例外的に農業振興地域除外をすることによって農地転用が可能となります。 
 このように、農地を権利移転する場合は農地の区域によっても必要な手続が異なります。なお、農地法に違反して転用をすると原状回復命令等の罰則の適用があります。 
 農地の権利移転や転用を検討される際は、専門家に相談することをお勧めします。

2018年11月01日
行政書士 曽根康寛

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